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―珠美。
夢の中で。
父は、優しく微笑んだ。
自分は、父のその笑顔を見ると安心できた。
父とは、ずっと一緒にいれると思っていた。
でも。
父は、自分と同じ「力」を持っていて。
そして、その「力」ゆえに自分と同じ仕事に就いていて。
結局。自分が十歳の時に、父は「殉職」してしまったのだ。
大好きだった父が死んで。
その死が、所謂人ではない者達のせいだと知り、父の仇を打つために、自分は父と同じ仕事とに就いたのだ。
けれど。結果は。
何もできないまま、自分は「力」を失ってしまった。
……「力」が、欲しかった。
自分の「力」は、人の意志をコントロールするものだった。
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