10 統合

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 ―珠美。  夢の中で。  父は、優しく微笑んだ。  自分は、父のその笑顔を見ると安心できた。  父とは、ずっと一緒にいれると思っていた。  でも。  父は、自分と同じ「力」を持っていて。  そして、その「力」ゆえに自分と同じ仕事に就いていて。  結局。自分が十歳の時に、父は「殉職」してしまったのだ。  大好きだった父が死んで。  その死が、所謂人ではない者達のせいだと知り、父の仇を打つために、自分は父と同じ仕事とに就いたのだ。  けれど。結果は。  何もできないまま、自分は「力」を失ってしまった。  ……「力」が、欲しかった。  自分の「力」は、人の意志をコントロールするものだった。
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