ラムネの泡

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俺が「ヤバイって…」と、聞くと美里が「夕べ、父さんが夜逃げするって母さんと話しているの聞いたんだ…」と、涙目で言った。 美里の家に借金があるのは小さな街なので噂になり俺も知っていた。 そして12月25日、クリスマスの夜だった。 美里の家族は街から消えた。 高い入道雲が見える…何時かの夏と同じ夏の雲のように見えた。 美里…覚えているかい小学3年生の夏休みに子供会で大洗の海に海水浴に行ったこと…俺は初めて美里のお母さんにラムネを買ってもらい2人並んで飲んだよね…。 俺の母さんは厳しい人で炭酸水は飲ませてもらえなかったから初めての炭酸水は凄く美味しかったのを覚えている…。 口の中でシュワシュワってして美里と俺は「シュワシュワ!」って言いながら2人で笑いながら飲んだよね…。
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