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「つまらない」
この世は馬鹿しかいないのだろうか。
自覚しているやつはまだいい。
問題は自覚していないやつがあまりにも多すぎることである。
馬鹿が決めた法律など何の役にも立たず、日々、法を破るものが後を絶たない。
だが、そんなつまらない日常がいつか変わるかもしれないと思わないわけではない。
馬鹿が大半を占めるこんな世界にも掛け値なしの本物の天才はいる。
そんな天才が見いだした人類の牙となる異能。
それは、他種族と対等に渡り合うための力[法則]と呼ばれ、人類の希望の光となった。
そして[法則]と呼ばれた異能を使い他種族に挑んだ人類は...
絶滅の一歩手前まで追い詰められている。
「なんで人類は他種族に負けないものもってるのにそれを使わないで新しい牙を研いだんだろうな」
入学案内と書かれた紙を見つめ呟く少年に隣に立っている少女が紙を覗き込み答えた。
「それはあれだよ。その人類の牙が脆かっただけだよ」
「まぁ、お前の牙で砕けないものはないだろうけど、そんなのお前だけだ、アホめ。そろそろ入学式が始まるから行くぞ」
「はぁーい」
そうして二人の命がけの学院生活が幕を開けるのであった。
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