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月影は学院の屋上から寮に行く生徒たちを見ている。
「今年もなかなか個性の強いものが多そうじゃの。お、あれは...」
その視線の先にいるのは翠月と詩織。
「蒼忌翠月に水無月詩織...。あの者らはどこまで生き残れるかのう」
そうして月影はまた姿を消した。
この学院に通う生徒は全員が学院の敷地内にある寮に住むことになっている。
学院の門には、この学院の名である[空零能力機構学院]と彫られたプレートが埋め込まれており、この学院の創設時からあるにも関わらず傷一つないという。
この学院の長である夜桜月影もその一人である[人類最強種]と呼ばれる者たちは全員で9人おり、その一人一人が別格の強さを誇っている。
そのあまりの強さゆえに人類は自ら新たな[種]としてその者たちを[人類最強種]と呼び、現在この世界で人類が絶滅していないのはこの者たちのおかげといわれるほどである。
「だ、そうだ。てか、聞いてるのか?詩織」
「きいてるよぉ。そのくらいさすがに知ってるって」
「知ってるならいいが、基本のことぐらい頭にいれておけよ」
入学式が終わり二人は現在、男子寮の一室である翠月の部屋で詩織の勉強タイムをしていた。
ちなみに、男子寮に女子が入るのは本来禁止とされているのだが、翠月が換気のために窓を開けた瞬間に詩織が飛び込んできたのである。
「じゃあ、次は[法則]ついてだ。法則は現在何系統あるかわかるか?」
詩織は「うーん...」とうなりながら指を四本立てた。
「はい、残念。答えは五系統だ」
「あれ~、そんなあったんだ...」
この世界の法則は現在5系統確認されており、[干渉]、[改変]、[創作]、[共鳴]、[駆動]がある。
一つ目の[干渉]は、特定のものを自分の意のままに操ることができる法則。
二つ目の[改変]は、詩織の[速度改変]のように、元々あるものを変化させることができ、応用のしやすい法則である。
三つめの[創作]は、すでにあるものを媒介にして特定のものを創り出す法則。
四つ目の[共鳴]は、特定のものの性質を得る法則。
そして最後に[駆動]、これは自分の体に特定の力を付与する法則。
となっている。
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