リベンジ

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俺は城から出られない冒険者。 もうなんやかんやで三ヶ月は、城から冒険の旅に進めていない。それは前作を読んだ読者なら分かってもらえると思うが、あえて言おう! この世界は腐っていると! 3マス目だ。俺だけなんだ。 なぜ俺だけに大量のスライムが押し寄せるのか! なぜ俺だけにキングスライムが出現するのか! なぜ俺だけにスライムベスはクリティカルヒットを繰り出すのか! なぜ俺だけ城から出られないのか! もう我慢の限界だった。 そんな時、ある一人の旅人が城の前にある宿屋のおばさんと話をしている姿が目にはいったので、会話を聴いてしまった。全く聴く気は無かったし旅人なんてどうでも良かったが、聴いてしまったものは仕方がない。不可抗力だ。だから、僕は旅人が羨ましいなんて思ってないし、見つめてもいない。 旅人が話をした内容は、はっきりと覚えていないが確かこうだった。 「いや~この辺りは弱いモンスターしかいないから旅が楽だよ。ただ経験値もゴールドもたくさんあるから、モンスターが出てきたら相手をするのが面倒なんだ。だから、スライムとか軍隊アリとかからは、いつも逃げてるよ」 僕はその時、誰も思い付かないワールドマップ攻略法を誕生させた。 敵に遭ったら、逃げる! これだ! 勝てないのであれば逃げればいい。 パンが無いならお菓子を食べろ。 自分の心が弱いのなら、みんなが僕に優しくしてよ。 これだ!これしかない!まさに真理! スライムとか関係ないし、逃げればいいだけじゃないか。そして町に行って装備を整え、奴らを滅殺する!これだ! 俺は城を出て3マス進んだ。 はい、スライム5匹~。この時点で開発者の思考を疑うが俺には必殺技、もとい手段がある。 何匹だろうと構うものか!俺は逃げる! 取り囲まれたか。だが、再び逃げる! 取り囲まれたか。やばいHP3だ。だが、三度逃げる! 死んだか。だが悔いはない。俺は勇敢に逃げ、ギャンブルには負けたが収穫はあった。 また例のごとく、王様と大臣がブツクサ言っているが関係ない。俺は逃げて町にたどり着くんだ!
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