第1章

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「誰か助けて!」 思わず声に出た。 今日、提出する筈の宿題をやってこなかったからだ。 おかげで、昼休みを潰し必死に机とにらめっこして今更宿題を片付けているわけだ。 だが、どうも間に合いそうもない。 次の時限で提出だっていうのに、これではマズい。 あの教師、怖ぇんだよ。 今日日"体罰"だと騒がれる世間の圧力を無視して、生徒をガチで殴ってくるからな。 全く度胸のある教師だよ。 まぁ、そんな教師からの宿題をやってこなかった俺も大概だがな。 ははは! 笑えねぇ……。 マジでどうするかな……。 俺は途方に暮れていた。 その時。 「よう 何かお困りかい?」 何か聞こえた。 顔を上げ、その声の主を確認する。 「アンタは?」 「なに、人助けが趣味な優等生だよ」 自分で優等生とか言っちゃうんだ。 なにコイツ。 「俺になんの用だ 今、忙しいんだが」 「助けてほしいんじゃないのかい?」 「俺を助けてくれるのか?」 「お望みとあらばね」 なんだ? 変な奴だが、助けてくれるならありがたい。 「そりゃ、助かる 宿題を終わらせるのを手伝ってくれ」 俺が頼むとソイツは、とある確認をしてきた。 「その前に確認だ 私は、君を一度きりしか助けてあげられない 君が救済を望んでいるのは、本当に今かい?」 「なに?」
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