第1章

3/4
前へ
/4ページ
次へ
言っている意味が分からない。 ソイツは続けた。 「たかが中学生の宿題如きで、私を頼るのはどうかと思ってね」 「なにが言いたい?」 「これしきの事で助けを請うべきではないと言ってるんだ」 うっわ……。 説教かよ。 優等生だけあるわ。 面倒くせぇタイプだな。 「悪かったな 1人でやるよ」 「うん、それがいいだろう 君の人生はまだまだこれからだ この先、様々な苦難が君を待ちかまえているだろうからね」 「苦難?」 「そうさ 事業で失敗して多額の借金を背負うはめになるかも知れない 交通事故に遭って、生死の境をさまようかも知れない 理不尽な災厄に見舞われ、路頭に迷うかも知れない」 なんか怖い事言ってるし。 「やめてくれよ」 「あぁ、ごめんごめん だけど、もし本当に助けが必要な時は望めばいい "助けて"とね 一度だけなら助けてあげるよ」 「はいはい」 俺はソイツの話を適当に聞き流し、手であしらった。 結局、俺の宿題は終わる事なく、教師から普通に殴られた。 後で友人に、ソイツの事を聞いたら「あぁ、隣のクラスの神様だろ?」とか言ってた。 へぇー。 神様って結構身近に居るもんなんだなー。 って、なに言ってんだよ。 なんで、そんなどえらいスケールのものが普通にクラスメートなんだよ。 神様なんて、アホらしい。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加