1【鶴岡】

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木島は毎日、ほぼ決まった時間に上がった印刷物を受け取る為に工場に顔を出す。 今日もその事で木島は、工場にやって来たのだろう。 「木島さん。例の〇〇商店のチラシの色校正、上がってますよ」 鶴岡が、奥の棚から上がった色校正を木島に手渡した。 「お、そうか!サンキュー!いつもありがとな」 木島は、笑顔でそれを受け取った。 「あと、名刺の方もいくつか上がってますよ!」 「お、もう上がったのか!鶴岡もなかなか仕事が早くなってきたじゃないか」 「いやぁ、それほどでも」 と、鶴岡は照れまくりながら木島に上がった名刺が入ったケースのいくつかを手渡した。 「じゃあ、早速、お客さんに納品してくるわ。いつもありがとな。今度、たまに飲みにでも行こうぜ!」 と、木島は工場から大股に出て行った。 「あの人には、頭が上がらない…って言うか、勝てないよなぁ」 と、鶴岡は木島の後ろ姿を見送りながら思った。
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