好敵手

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ユウジはイヤイヤながら足を止めた。 何がイヤかって、基本的な造作は似たようなモノなのに、シノブの方が圧倒的に配置が良いことだ。 馬鹿げて派手で悪気がない。 次期バスケ部主将になるのは間違いない運動神経の持ち主だから、今も女子の視線を一身に集めている。 勘弁してほしい。 「今度の体育祭の部対抗リレーな……」 弱り切った様子で、シノブは頭をかいた。 「頼む、お前に頭なんぞ下げたくないが頼む。負けてくれ」 穏やかではない相談だ。 この学校の体育祭、中でも部対抗リレーは人気種目だ。 面白く目立って、尚且つ上位を狙って新入部員を確保。 ユウジとシノブら新二年生に与えられた重大な任務なのである。
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