-現実(ナオキ編)-

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 「で、王子様はお姫様の様子を見に来てくれたわけ?」  「元王子様としては、お姫様のことが気がかりでね」  …そうだった。  今日は会社で倒れたんだった。  救急車を呼ぼうとした、ナオキを制して、私はひとりでタクシーで、自宅に 戻った。  「で、お姫様の具合はどう?」  「大丈夫よ…」  と、言って、ベッドから立ち上がろうとして、頭がクラクラした。  思わず、よろめく。  「お姫様…ムリは禁物だよ」  ナオキはそっと、私のカラダを支えた。  ナオキの顔が私の顔の前に来る…そうキスするみたいに。  
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