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その顔がジュン君とダブって見えた。
「…たしかに、ムリは禁物ね…」
私は苦笑して、納得する。
そんな私を見て、ナオキが訝った。
「綾乃さん、なにがおかしいの?」
私はどう答えていいかわからず、黙った。
ナオキはそんな私を咎めることなく、
「今日は綾乃さんと名前で呼んでも、ボクを叱らないんだね」
と、優しく、呟く。
「…会社じゃないから…」
私はそっけなく言った。
事実、会社では社員の目があるから、名前で呼ばれるのは困るけど、家の中は
別。
誰にもわからない。
だから、私も遠慮なく、社長ではなく、ナオキと呼ぶ。
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