僕が彼女を守る!

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 僕の住んでいるのは、古い木造のアパート。  廊下を歩けばギシギシと音がし、少々歪みが生じているのか扉や窓を開けるのも一苦労。  部屋にトイレやお風呂がついているだけ有難いが、自分の部屋と隣室とを遮るものは、薄っぺらい壁一枚だけなので、水音は丸聞こえ。  お陰で深夜のトイレや風呂には細心の注意を払わなくてはならないし、TVの音量にも気を使う。  落ち着くはずの我が家でなくてはならない筈なのに、なんで、神経を使うような場所に住んでいるかと言えば、当然、お金。  都内で駅から徒歩5分という立地でありながら、1LDKで家賃2万。  上京したてで、まだ、仕事にも慣れておらず、貯蓄も給料も少ない僕には有難い立地と価格設定。  しかも、それだけではない。  
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