僕が彼女を守る!

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 たまに廊下ですれ違ったり、窓を開けた時に同時に顔を覗かせた時に、一言二言交わすだけではあるが、隣の部屋には、北川〇子に似た美女が住んでいるんだ。  彼女が帰宅し、部屋をベッドに腰掛ける音。  夜、お風呂に入っている音。  そして、トイレの水を流す……って、これじゃぁ、僕が変態みたいじゃないか。  とはいえ、神経は中々休まらない部屋ではあるが、懐に優しく、心の癒しもあるといった点では、このアパートの住み心地は悪くないし、充分満足しているんだ。  月曜から金曜まではしっかり働き、土日は休む。  休日のどちらかは、洗濯や掃除で一日潰れてしまうが、もう一日で、同僚や友人と遊んだり、一人で買い物や映画に行ったりと、結構充実した日々。  隣のお姉さんとは、あれからも、顔を合わせたら挨拶する程度。  あれだけ美人ならば、彼氏だっているだろうし、目の保養と心のオアシスくらいにしか思ってはいないので、特に進展などある筈もなく。  平穏な生活を過ごしていたある日曜日のことであった。
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