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「誰か……け……てぇ……」
窓から差し込む、暖かな日差しの中。
テレビも点けずに読書をしていると、突然、くぐもったような声が壁から漏れてきた。
「ん? 寝言?」
朝から一度も隣の部屋の扉は開いてない。
隣のお姉さんは部屋にいるはずなので、彼女の声には間違いないだろう。
何を言っているのか分からず、壁に耳をつける。
「だ……か……ずけで……」
え?
さっきも、「誰か」「けてぇ」って言っていたよな?
「も……やぁっ……すけてぇっ」
くぐもった声から、次第に苦しそうな。
それでいて、泣いているような声に変わっていく。
それよりも。
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