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◇
どきどきしながらドアに手をかけて、気配を消すようにそーっとゆっくりと押す。
だからか、カランカランっと音は少し控えめだったのに、すぐに「いらっしゃいませ」という声が飛んできた。
その瞬間交わった先の瞳は、大きく見開く。
けれどそれはすぐに細められて、カウンター席へと案内された。
「何飲む?」
「えっと……カシスオレンジください」
「オッケー。ちょっと待っててね」
「はい」
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