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カシスオレンジを作り始めた凪さんの背中を見ながらも、あたしは激しすぎる心音と戦っていた。
周りに聴こえてしまうんじゃないかというほどに、どきどきと大きな音を鳴らしながら話していたあたしとは違って、凪さんはいつものように柔らかい笑みを向けてきていた。
あたしばかりが余裕なくあたふたしている。
といっても、凪さんはあたしのことをなんとも思っていないんだから当然なんだけれど。
「おまたせしました。カシスオレンジです」
そう言いながら目の前に置かれたグラス。
「ありがとうございます」
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