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一緒にベッドで寝たこともあるのに、身体を重ねたこともあるのに、たったこれだけのことで心臓が痛いくらいにどきんっどきんっと動き始める。
こんなにくっついているから、きっと凪さんにもこの音は伝わっているんだろうな。
と思ったけれど、それと同時に凪さんからも速い鼓動が伝わってきていることに気づく。
「彩葉」
あたしの肩に顔を埋めていた凪さんは、その場所であたしの顔を覗き込みながらぽつりと呟く。
「はい」
「あの日、本当にごめんな。俺、あり得ないほどに、無神経だった」
今にも泣き出してしまうのではないかと思うほどに眉を下げている凪さん。
『あの日』って、あの日のことだよね?
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