第14章 赤裸々に

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そのまま手にとって口に運ぶと、甘酸っぱさが口の中に広がっていく。 「美味しい」 自然と頬も緩む。 酔い潰れてしまわないようにちびちびと口に運んでいると、いまだにあたしの前にいる凪さんが眉を下げながら声をかけてきた。 「この間はごめんな」 「え」 「突然アパートにまで押し掛けて」 この間……。 それって、凪さんが『毎日来てたのに全然来なくなったから、心配してたんだ』と言ってきたあの日。 そして帰り際に『来づらいかもしれないけど、よかったらまた顔出して』と言われたんだ。
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