episode194 花村教授と秘密の講義②

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「だって……」 もともといい人なんだ。 先生は僕の原稿が汚れないよう 真っ先に持ち上げる。 「君は敬と……」 「彼との話だなんて言ってない」 たとえ そんな腐った原稿でも――。 「だからって僕が彼を騙しているだなんて思わないで下さいね」 僕は困惑顔の先生に近づくと せっかく救われた原稿を 零れたコーヒーの上に投げ打った。 「あれからよく考えてみたの」 「あれから?」 「昨夜あなたに放り出されてからさ」
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