155人が本棚に入れています
本棚に追加
「それじゃみんな来られないように呪いでもかけて下さい」
食あたりでもなんでも。
やけっぱちにぶつぶつ言うと
「悪いけど僕は呪術師じゃないよ」
心ばかり申し訳なさそうに装って
「あ、ちょっと……!」
電話は切れた。
「和樹坊ちゃま」
ちょうどその時。
「何だい?」
部屋の外で待っていたように
満が顔をのぞかせた。
「九条家のご主人様からその……先ほど正式にディナーのご招待が……」
「おいで」
賢い子。
言いにくそうにしている満を手招きすると。
「はぁ……」
小さな体を僕は両手に抱きしめた。
最初のコメントを投稿しよう!