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「すみません。これを買いに」
「ドーナツ?」
僕は片手に下げた袋を差し出すと。
「限定品なの。ジェリードーナツ。一緒に食べませんか?」
傘をたたみ
軽い調子で教授室に上り込む。
「それに、先生にどうしてもお見せしたい物もあって――」
もちろん
メインはドーナツじゃない。
「見せたい物って?」
手にしていたテキストをデスクに片すと。
先生は訝しげに僕を見つめながらも。
一番最初に会った時と同じく
2人分――コーヒーの用意をし始めた。
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