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僕の記した赤裸々な蜜事に触れ
花村教授は青ざめてゆく。
きっと想像していたより
はるかに酷いものだったに違いない。
僕に文才はないし
思いやりの心もあるとは言えないから。
まるで自分が辱めを受けているように
口元を抑え頬を赤らめる彼を横目に。
僕は正直
震えるほど満足していた。
ある種
歪んだ優越感だ。
彼の人生を今の今まで支配してきた
純粋な愛の結晶。
九条敬という男は
今完全に僕の物だという優越感――。
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