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しかし、相手は俺の攻撃を弾き返した。
「「ーっ!」」
そのまま向かい合う俺とそいつ。
二人の距離は約五メートル。
電灯の僅かな光が俺とそいつを照らしている。
黒いフード付きパーカーで隠していたそいつの顔が露になる。
「!」
女……
「あーあ……もうちょいだったのに。」
残念そうに、本当に残念そうにそう呟く彼女。
「あんた……何者?」
彼女の瞳が俺を睨んだ。
「……その前にお前が名乗ったらどうだ?」
俺も目をそらさずに彼女に問う。
「私?」
そこには残酷なほど美しい微笑み。
「私は……紗英(さえ)。」
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