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結局俺と紗英はラーメン屋を出て、二人並んで夜道を歩く。
沈黙が続く中、俺が先に口を開く。
「……紗英はさぁ」
「なに?」
「何で人を殺すの?」
「んー……難しい事を聞くね。」
そう言って紗英は、初めて困ったような表情をした。
「難しいのか?」
「じゃあ聞くけどさ、昌は何で息をしてるの?」
「はあ?」
「私はさ、“人を殺す”って行為を“息をする”感覚でいつの間にかやってた事なの。……それが当たり前なの。」
「……じゃあ“生きるため”な訳だ。」
「……“生きるため”って簡単に言うけどさ、そもそも何が“生きてる”って言えるの?」
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