さん

16/17
前へ
/133ページ
次へ
また沈黙が続き、俺が変な汗を額にかき始めた頃だった。 タタッと走る音がして、紗英の方を見ると、小型のナイフを片手に突進してくる。 俺はそれをかわし、さらに紗英の足を払いのけようとする。 それに気づいた紗英は、今度は俺の足を刺そうとする。 俺は咄嗟に足を引き、紗英がナイフを握る右手を掴んだ。 「……ははっ」 「ふっ……」 「……いいよ。」 「あ?」 「私は……あんたを殺すためにあんたと一緒に生きる。」 「そ……なら誓いのキスでもするか?」 「クス……欲しがり。」 そう笑って彼女はナイフを離し、俺の首に腕を絡める。 ,
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加