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白河さんは意外に口まめで、自分のことをたくさん話してくれた。
普段は飲食店の内勤をしていて、土日は取材にまわっている。今日は有給を取って来たらしい。年齢は三十歳、僕より三つ上だった。ヒアリング・ブロガーという名前は自分で考えたそうだ。
「京急線に所縁のある方々に取材をして、ブログで公開してるんです。この街をよりよくするにはどうしたらいいかとか、将来に対する不安とか。市民の生の声を少しでも多くの人に知ってもらいたくて」
あの花のことも教えてくれた。
「名前とお顔の代わりに、花を持った手の写真を撮らせてもらってます。手にはその人の歴史が刻まれているから」
そう言って、花を愛でる時と同じ笑みを見せた。
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