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古ぼけた部屋の、低い天井を見つめたまま朝を迎えた。
もう何年も前に別れた恋人とのことを、何度も何度も思い出している。
後悔ばかりが浮かんでは消えることなく、目の前に覆いかぶさるように重なっていく。
あの頃、夢ばかり追いかけていた自分…。
絵描きなんて馬鹿な事はやめて、全うに働きなさい。
親の言葉が、夢を妨げる障害にはならなかった。自分には確固たる信念があった。
どんなに貧しくても、どんなに孤独でも、絵を描き続けていく。
好きな絵を描いて一生を終えられるなら、どんなに幸せか。
美大の先生の、言った一言が忘れられない。
「おまえの描いた絵は本当にきれいだ」
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