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第一章 旅の始まり
「ううぅ…………っ」
こんなことがあって良いのか。
ある日、唐突に異世界へ飛ばされ更に性別が女になっていたなんて。
なんの冗談だよ、これ。夢なら覚めてくれ!! お願いします神様、五円あげるから男に戻して!!
「ど、どうした? 大丈夫か?」
ピクリとも動かない僕を心配して、
ジークが顔を覗き込んできた。
「う、うん…………大丈夫」
錯乱する脳を落ち着かせる為め、
大きく深呼吸をした。
空気が肺を通り、脳へ必要な養分を送っていく。落ち着きを取り戻し思考がクリアになった。
まずは現状把握と、自分の身体に目線を落とした。元々、体格は大きい方ではなかったが今は着ていた服が少しブカブカになっている。その服の襟首から柔らかそうな膨らみが見えた。
試しに、掴んでみるとーー低反発な柔らかい感触が掌に伝わった。
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