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森を抜け、真っ直ぐ突き進む。
見渡す限り、何もない。峡谷に差し掛かった所で、
緑が少なくなり土色の地面が露になった。
谷沿いの細い道を歩く。ふと、谷を覗くと、
谷底に集落らしき建物群が見えた。
簡略な構造で屋根が藁で出来ている。あんな藁の屋根で雨露を凌げるのだろうか?
だが、そこにはしっかりと人の営みを遠目からでも感じることが出来た。
家から聳え立つ煙突から、煙が出ている。それは、人が住んでいる証しだ。
「ん? どうした?」
「え、いや、谷底に集落があったから覗いてたの」
「ああ、ルビット族の集落か」
「ルビット族?」
「ルビット族ってのは、
古来から精霊との対話を得意とする種族だ。
だから、精霊が多く住む自然界を好む。故に、
ルビット族は人があまり寄り付かない森林の奥地やあの谷底のような場所に集落を作るんだ」
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