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取り合えず、河辺でも見つけられたら良いんだけど。
耳を澄ませてみても、
流水の音なんか聞こえない。
うだうだ考え込んでいても埒が明かないし、木に印を付けながら進もう。そうしておけば、もう迷うことの無くこの場に戻ってこれる。
僕は手頃な石を手に取り、
木に矢印を書きながら進んでいく。
僕の体内時計では、既に午前十二時は過ぎており、
エネルギー源を寄越せと胃が喚き始めた。
サバイバル知識に疎い僕には、どの草が食べられるのか分からない。なので、空腹を満たそうにも食料を確保出来ずにいた。
空腹に耐えながら、歩くこと数十分。
水の流れる音が聞こえてきた。
僕は、走った。水と言う名の希望に向かって。
水があれば空腹を満たせなくとも、
紛らすことなら出来る。
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