43人が本棚に入れています
本棚に追加
音を頼りに、ひたすら走った。
自分の体力の限界も忘れて。
木々の間から、河辺が見えた。
僕は、飲める水なのか確かめもせず川に顔を突っ込んだ。そして、ガブガブと勢い良く川の水を飲む。
水っ腹になりそうなほど飲んだ後、息を吐いた。
この川に沿って下っていけば、
森から出れるかもしれないな。
大概、川ってのは海に繋がってるもんだ。
となれば、休息をとった後、出発しよう。
海辺に出ればここが何処か分かるかもしれない。
淡い期待を胸に一歩踏み出す。
上空を大きい影が通り過ぎていった。
それは、蜥蜴(とかげ)に蝙蝠(こうもり)の翼を生やしたような生き物だった。
僕は、唖然とその生き物を見送った。
あれは…………そう、伝承に名高い幻獣“ドラゴン”!!
って、いやいやいや。そんなん、存在する分けない!
何かの見間違いだ。
最初のコメントを投稿しよう!