序章 転移

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 脱がすと、健康的な肉体美が露になった。  オホッ!  って、違う!! 手当てだ、手当て!!  よく見ると、結構美形だなこの人。  顔の骨格が顎にかけてスラッとしてて、  鼻が高い。丹精な顔立ちだ。  しかも、金髪!  さぞ、モテモテなんだろうな。羨ましい!    歳は、僕と同じくらいか、ちょっと上みたい。  倒れてた所を見る限り、  上流から流されてきたみたいだ。  一体なにがあったんだろう?  適当に枝と落ち葉をかき集めた。  そして、火打ち石のように固い石を手頃な金属は…………無いから、この人の鎧を代用し打ち付ける。  ガチィン、ガチィンと打ち付けること十回目。  少し火花が散り、落ち葉に着火した。  メラメラと落ち葉が燃え上がる。  これで、焚き火はよしっと。  後は、この人が目を覚ますのを待つだけか。  大した傷もないし、多分気絶してるだけだと思うんだけど。
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