43人が本棚に入れています
本棚に追加
「ううぅ…………ッ」
男性が目を覚ました。
ゆっくり身体を起こし、周囲を一瞥する。
起き抜けか目の焦点が定まっていない。
「…………ここは」
男性と目が合う。
なるべく、警戒心を仰がないよう自然な笑みを浮かべ僕は、男性に声をかけた。
「良かった、目が覚めたね。
って、言葉通じるよね?」
「…………君、は?」
「僕は早乙女遥」
「サオトメハルカ?…………妙な名前だな」
妙とは失礼な。確かに男っぽくない名前だけどさ。
自分じゃ気に入ってるんだよ、
遥って名前。
初対面なのにズバッと物を言う人だな。
不機嫌さが顔に出ていたのか、
男性はハッとなり手を振った。
「すまない、気に障ったのなら謝る。
珍しい名前だったもので、つい…………」
「ううん、気にしてないよ」
最初のコメントを投稿しよう!