序章 転移

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「そうか…………。  あ、まだ俺の名を言って無かったな。俺は、ジーク。ジーク・ハザルド。ヘリック共和国の騎士だ」 「ヘリック共和国?」  聞いたこともない国名に首を傾げる。  その反応にジークは怪訝に眉をしかめた。 「知らないのか? 大陸を二分する大国だぞ」 「そうなの?」 「そうなのって…………常識だぞ。君、どこの出身だ?」 「日本だけど…………」 「ニホン? 聞いたことの無い国名だな」  顎に手を当て考え込むジーク。  薄々気付いてたけど、ここ所謂、  “異世界”って奴だよね。  さっきのドラゴンといい、この騎士様といい。  まぁ、まだ判断材料が少ないけど。でも、そう考えなきゃあのドラゴンは説明出来ない。  と、ここであることを思い出す。 「ねぇ、そこに服干してあるから着なよ。  いくら、焚き火しているからって言っても風邪引くよ?」
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