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「ほめろっ!!」
いや、ほめろと言われても。
一向に動きそうもないので、仕方なくヨリの肉球をつむじに載せる。
「ヨクデキマシ…タ?」
棒読みで言ったにも関わらず、ヒロに付いているはずのない尻尾がブンブン振られているように見えた。
「あ、鍋」
吹き零れそうになっている鍋に、あわてて火を止める。
ヒロが両手にミトンを装備してやってくる。
「別にフキンでいいだろ」
「いーんだよっ!!気分だ気分っ!!」
そう言ってゆっくりとふたを開ける。
一気に白くなる視界に餃子独特の臭いが鼻をくすぐる。
「うぉぉぉ」
具を取り分けてヒロの前に出すと、ヨリに猫缶を開けてやる。
ヒロが珍しいことに俺の分をよそってくれる。
「よしゃぁっ!!いっただきますっ!!」
随分気合いの入った『いただきます』だ。
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