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「うんっまぁ~っ!!」
はふはふと、息を吐きながらヒロが餃子を食べる。
それを見てから俺も改めて箸をつける。
あ、うまい。
「やっぱ、餃子だけじゃなくて肉も入れてた方が味が出るな」
「いっつも入れないもんな、餃子鍋は餃子だけって」
いつの間に空にしたのか、ヒロはお代わりをよそっている。
そしてそこに、わざわざ分けてもらったキムチをたっぷり入れる。
旨そうだな、それ。
「ん」
俺の視線に気づいたのか、ヒロがキムチを寄越してくれる。
ありがたく受け取ってお代わりに入れていると、複雑そうな顔をしたヒロと目があった。
「なに?」
「いや、野下ってご飯に関しては素直だよなぁっと思ってな」
「……は?」
なに言ってるんだ、こいつは。
「普段からそれぐらいでいろよ、特に俺に対して」
……本当に何言ってるんだ。何でこいつに気を使わなきゃいけないんだ。
無視して席を立つと、出掛ける前に炊いていた米を盛る。
席に戻ろうと後ろに振り替えったら、目の前に茶碗があった。
「ズルい、俺もっ!」
拗ねても可愛くねぇ。
ため息をついて、お茶碗を受けとると代わりについだばかりの茶碗を渡す。
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