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少女は起き上がると、パタパタとスカートを叩いた。
よく見ると、とても可愛い女の子だった。
「本当にもう! 私と母が永遠の命を授かるために、発生させた命の森だったのに! 魔女裁判にかかるより災難よ!」
「君は魔女なの?」
少女はペロリと舌を出してから、頷いた。
悪戯好きな女の子なのだろう。
「でも、まだ見習いなの」
「ふーん」
通行人はただ過ぎ去るだけだった。
近くのお店の人もこちらを気にしない。
「ごめん。ぼくのせいだ」
「でも、いいの。母はもう立派な魔女なのよ。いつかきっと、永遠の命を授かるわ」
ぼくはポケットから飴玉を取り出して、少女に渡す。
「飴玉ありがとう。ねえ、これから永遠の未来でわたしと楽しく遊ばない」
ぼくは嬉しくなって頷いた。
見たこともないお菓子があるわ。
見たこともない風景があるわ。
見たこともない建物があるわ。
見たこともない乗り物があるわ。
きっと、未来は楽しいわ……。
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