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今日はつくづくついていないと、須崎祐一郎は思った。
朝食で、目玉焼きをスーツのズボンにこぼしてしまい、慌てて湿らせたティッシュで拭いたがシミは残り、しかし家を出なくてはならない時間になったので、仕方なく着替えずに家を出た。
ああ、カッコ悪い。誰にも見られませんように。
京浜急行が上大岡駅に滑り込む。いつも乗る通勤特急ではない。
須崎は腕時計を見る。思った通り、いつもより10分近く遅い。
会社に着くのは定時ぎりぎりになる。
須崎が並ぶ乗車の列が前に進んだその時、ふいに胸ポケットのスマホが振動した。
出なくてもいいかと思ったが、一応スマホを取り出し画面を見ると、取引先の名前が表示されている。
何でこんなに早い時間に。
嫌な予感がして乗車の列から離れる。
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