教えて赤い糸

10/21
前へ
/21ページ
次へ
試合が始まり、あたしと豊臣の二人で敵チームを翻弄した。 こういうとき、豊臣とは息が合う。 豊臣は、普段はバカな振る舞いばかりしているけれど、相手のことを考えての発言もするし、いざという時は頼りになる。 考え方もあたしと似ていて、相性がいいなと前から思っていた。 ん? 相性がいい? それって、ひょっとして……。 ないないない! よりにもよって豊臣みたいなやつを好きになっているなんて。でも。 「糸井沢!」 「え?」 豊臣に呼ばれ気づくと、相手の男子が目の前まで走ってきていた。男子はボールにしか目がいっていないようで、そのままあたしはその男子と衝突した。 「うっ!」 いってえ……! まずい、足くじいたかも。立てない。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加