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試合が始まり、あたしと豊臣の二人で敵チームを翻弄した。
こういうとき、豊臣とは息が合う。
豊臣は、普段はバカな振る舞いばかりしているけれど、相手のことを考えての発言もするし、いざという時は頼りになる。
考え方もあたしと似ていて、相性がいいなと前から思っていた。
ん? 相性がいい?
それって、ひょっとして……。
ないないない!
よりにもよって豊臣みたいなやつを好きになっているなんて。でも。
「糸井沢!」
「え?」
豊臣に呼ばれ気づくと、相手の男子が目の前まで走ってきていた。男子はボールにしか目がいっていないようで、そのままあたしはその男子と衝突した。
「うっ!」
いってえ……!
まずい、足くじいたかも。立てない。
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