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☆
昼休み。
なかなか食事がのどを通らない。織田に足を触られたり、豊臣にお姫様だっこされたことを思い出すと、恥ずかしさで、購買で買ったサンドイッチを握り潰してしまいそうだ。
「はあ」
「バスケ、大変だったみたいだね、あかね」
「ぷははは! よそ見してるからそうなるんだよ」
と、あたしの隣の席である机に座っている豊臣が、紙パックの牛乳を手に笑う。
「っるせえな。だいたい何で織田に任せたんだよ」
おかげでますます意識する羽目になったし。
「そりゃあ、あれだよ。俺なりの気配り?」
「ああ、豊臣くんも知っていたんだ。あかねが織田くんに告白されたこと」
「ん。まあ、さすがにな」
歯切れ悪くそう言うと、豊臣は他の男子に呼ばれて行ってしまった。
「なあ徳川。あたし、織田のこと好きなのかな」
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