教えて赤い糸

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「おーい、糸井沢。英語の辞書貸してくんねー? 移動教室のとき忘れたみたいでさー」 そもそも誰に!? 誰にだ? わっかんない! 「もしもーし。糸井沢?」 「うっさい、豊臣! どっかいけ」 「ひどくね!? 俺、何かしたか!」 「ごめんね。今あかね、混乱しているみたいで。あ、辞書なら僕の貸すよ」 「えー、どうせなら女子の使いたかったなあ」 「心にもないことを。どうせあたしのことなんて、女子として見てないだろ」 自嘲染みた笑顔を見せると、豊臣は照れくさそうに答えた。 「そんなことねーよ。確かに糸井沢はかっこいいが上回っているけど、かわいいっちゃかわいいぞ」
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