２人の女性

シアトルで帰国の準備をしながら、僕は彩に帰国日と到着便をメールで連絡した。

すると彩から、

「ひろ、ホントごめん！

　その日はどうしても仕事休めないんだ！」

と返事があった。

僕は、

「大丈夫だよ！

　無理しなくていいよ！」

と返事をした。

シアトルから羽田への直行便は、予定通りの時刻に羽田空港に到着した。

羽田空港に到着し飛行機を降りて検疫と入国審査を終えると、手荷物を受け取ることができる。

手荷物を受け取ると税関検査があって、やっと出口から到着ロビーに出ることができる。

僕はここから、寄り道せずに三浦の自宅に帰るために京急線に向かって歩いていると、ふいに後ろから誰かに抱きつかれた。

「ひろ！」

聞き覚えのある声が聞こえたかと思うと、後ろからひょっこりと彩が顔を出した。

「あれ、彩は今日仕事じゃなかったっけ？」

と僕が聞くと、

「うっそ～」

と彩の返事が返ってきた。

僕は、

（また、はめられた！）

と思ったけど、彩は、

「今回は、ひろを驚かせたかっただけ！」

と話してくれた。

さっそく京急線に乗車して、京急蒲田駅で三崎口駅行きに乗り換えた。

電車の窓から見える京急線沿線の風景は、３年前と変わらない風景だけど、何故かとても懐かしい感じがした。

いつものように彩の機関銃のようなおしゃべりがさく裂した。