2人の女性

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僕の名前は「ひろし」、大学を卒業後横浜市内のIT系企業に就職した、25歳独身男のごく普通の会社員である。 僕の自宅は三浦市で、京急線の終着駅である三崎口駅からバスで10分程の場所にある。 会社には、毎朝バスで三崎口駅に行き、ここから京急線を使って横浜市内の会社まで通勤している。 高校と大学も横浜市内だったため、僕にとって京急線は大切な足だ。 10年近く通学通勤で利用している電車の中から見える京急線沿線の風景は、僕にとっては見慣れた風景だ。 三浦市から横須賀市を経由して横浜市に入る京急線の電車の中から見える風景は、派手さはないが何となく癒されて、僕はこの風景を見ながら通勤すると、なぜか気持ちが落ち着く感じがある。 僕には、小学校の頃からおさななじみの「彩(あや)」という女友達がいる。 彩とは、小学校の頃は同じクラスだったけど、中学校と高校は、クラスは違うけれど同じ学校に通っていた。 家も比較的近いため、よく一緒に遊んだ仲だ。 彩は高校を卒業後、横浜市内の女子短大に進学したが、今は三浦市内にある京急油壺マリンパークで働いている。 彩は海と海の動物が好きで、京急油壺マリンパークに就職できたことは、彩にとって夢のようなできごとのようだ。 京急油壺マリンパークには、小さな頃から両親に連れて行ってもらった、僕にとっても思い出がある場所だ。 僕は今でも休日には時々、京急油壺マリンパークに行くことがある。 彩は、イルカのショーに出演していて、いつも元気で明るく司会進行をしている。 僕はこの彩が出演しているイルカのショーを見るのが好きだ。 ショーが終わって、僕は観客席から彩に向かって手を振ると、彩も僕に気が付いて笑顔で手を振ってくれる。 この彩とのささやかなコミュニケーションも好きだ。
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