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ある日の夜、久しぶりに彩と飲みに行こうということになり、三崎公園で待ち合わせをして居酒屋に行った。
まずはビールで乾杯したが、いつものように彩の機関銃のようなおしゃべりがさく裂した。
僕はこの日、大事な話をしようと思っていて、いつもと違い緊張していた。
そんな緊張して口数の少ない僕に彩が、
「ひろ、どうしたの?」
体調悪いの?」
と気遣って声をかけてくれた。
僕は、思い切って彩に、自分の気持ちを正直に伝えて、いわゆる「告白」しようと話をはじめた。
「彩、僕は彩のこと大好きだよ。
だから、僕とお付き合いしてください。」
すると、彩はあぜんとした表情で、少し沈黙してしまった。
予想外の展開に、僕は、
(あれ、何かまずいこと言っちゃったかな?)
と思い、緊張感がさらに倍増した。
彩が我に返って、僕に話しをはじめた。
「何言ってんのひろ、今さら冗談はやめてよ!
ひろと私は、とっくに恋人同士でしょう!」
今度は僕があぜんとしてしまった。
僕と彩の関係は、友達同士のままだと思い込んでいたからだ。
「僕は彩に、告白したことあったっけ?」
すると彩が、
「あるよ!
小学2年生の頃だよ!」
と答えてくれた。
さすがに小学2年生の告白は覚えていなかったし、彩が小学2年生の頃の告白をそのまま信じていたとは考えにくかった。
僕は彩に、
「それホント?」
と聞くと、彩は笑いながら、
「うっそ~」
と返事をした。
僕は、
(また、はめられた!)
と思ったけど、彩は、
「でもねひろ、私はひろとは恋人同士だと思ってた!
これはホントだよ!」
と話してくれた。
僕は彩の思いを知って、とても嬉しい気持ちになった。
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