2人の女性

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僕は、彩がお嫁さんになってくれるといいなぁ…と考えるようになっていた。 彩は子供が好きなようで、京急油壺マリンパークに遊びに来る子供たちと、すぐに仲良しになってしまう。 彩は、いつも生き生きとしていて元気一杯だ。 こんな彩と一緒にいると、会社の仕事が忙しくて気分が落ち込んだときでも、すっかり忘れて元気になってしまう。 彩の不思議な魅力と言っていいと思う。 僕と彩は、お互いに好きだという気持ちを持っているけど、子供の頃から良く知った仲だし、お互いに愛情表現することは苦手だった。 こんな関係が続いていたが、僕はそろそろ彩との結婚を真剣に考えようと思っていた。 そんな矢先に、会社から異動の辞令が発令された。 異動先は、アメリカ合衆国のシアトルにある関連会社への出向で、出向期間は3年間となっていた。 シアトルに仕事で行くとなると、そうそう日本に帰ってくることは難しくなるであろうことは、容易に想像できた。 僕は、彩と会えなくなることが悲しくて、どうしたらいいのか答えが見つからなかった。
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