隠せぬ思い

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問いかけた言葉に流喜はニコッと笑う。 「だから俺を拾ったの?」 能力者だから?と流喜は問いかけてくる。 この世には忌まわしいルールが存在する。 そのルールのせいで僕は何度死を願った事か。 「質問に答えてなかったね、俺の能力は錯覚だよ」 錯覚の能力って事は割と強めの能力者だ。 物凄く簡単に考えると錯覚の能力を使うと右を左に感じたり、リンゴがバナナだと感じる所謂錯覚を起こす能力。 リンゴとバナナに例えると少し笑ある話だけど… 人を殺すことだって容易い。死ななきゃいけないと錯覚させたり仲間内に裏切り者がいると錯覚させれば手を下さずとも人を殺せる。 ただし、能力者の中では強いってだけだ。 この世界には能力者以外に黒目と紅目とアルビノとスカイがいる。 黒目はただの人間。何も持っていない。 紅目は攻撃力と魅力が高い故にハニートラップに向いていて殺し屋としてよく使われる種族だ。能力者の持つ能力にもよるが大体同じ位の強さである。 そして… 「アルビノでしょ?」 流喜は僕を見て笑う。 そう、僕はアルビノだ。 紅目や能力者より遥かに身体能力が高くホルモン分泌能力が高い為ハニートラップも出来る、おまけにアルビノの血には傷の治癒能力や能力向上の効果がある。 そして契りという本能からの習性があり、誰か一人と契りを交わすと一生をかけ忠誠を誓いその人の命に忠実に動く。 死ねと言われれば死ぬし殺せと命じられれば殺す。アルビノが冷酷非道だと言われる理由はそれ故だ。 そしてアルビノは黒目が7.能力者と紅目が2.5の割合だとしたら0.499位の割合でしかこの世に存在しない。 そう、希少価値が高い。 それが僕なんだ。
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