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「…そろそろ沸く」
「うん!」
尻尾があるならパタパタと大きく振られているだろう。何というか大型犬を飼いならしている気分だ。
ピピっと音が響く。その合図にいち早く反応しシュバババと口で効果音を出しながら風呂場へ入っていく流喜。
いや、くつろぎすぎだろ。
自分も着替えようとふと鏡を見るとその映し出された姿に嫌気がさす。
何度見たってちっとも好きになれない
あぁ、どうして赤なんだ。あぁどうして白なんだ。あぁどうして僕なんかがこんな目に…
影が落とされたかの様に全ての事がどうでも良くなる
僕なんか居なくても良いのに。
駄目だ、結構落ちている…薬が飲みたい。安定剤は何処だっけ?確か
「ねぇ」
「っ!?」
飛び上がるように振り返り後ずさる僕を前に不思議そうに首をかしげる流喜。
「入らないの?」
ニコッと笑う流喜、気がつけば不思議と冷や汗は止まっている。
大丈夫だ、取り敢えず今は平然としていなければ
「…今入ろうと」
「そうなんだ!早く早く!!」
僕よりもでかい手が僕の腕を掴み引っ張る。そして着替えたばかりの服を脱がしていく。
「…下着は…いい。」
「え、何で?」
何でって…いや、何でだろう。
普通脱がされるのって嬉しくはないしな。
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