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その中には僕が嫌いな「白」がある。
それを隠すように泡立てることに集中する。
水滴が足を流れてくすぐったい。
あぁ、流れていく、汚れも穢れも全部。
このまま全て流せたら良いのに。
そうしたら僕は…
「うぉ!?めっちゃ泡だらけ!!凄い凄い俺にもやってーー!!!」
「え…あ、あぁ」
ばしゃんと大きく波を立てお湯をこぼしながら湯船から上がってきた流喜が僕の前にちょこんと体育座りをする。
早く早く!と言わんばかりにこちらをチラチラ振り返りながら笑顔で待っている。
「…お手」
「ワンッ!」
あぁ違和感なくお手しちゃうんだ、良いんだそれで、凄い満足そうだし何なのこの子よくわかんねぇ…
シャンプーを手に取り髪をわしゃわしゃと掻き回すと気持ち良いのか頭がフラフラと動く。凄く洗いづらい。
しかしこうして明かりの下でしっかりとみると、何だか僕よりも若く見えるような少し日焼けした肌をしている。
「…ねぇ、あんたいくつなの」
「俺!?」
「え…うん、あんた」
「俺ねー19」
「えっ」
「えっ」
いや真似しなくて良いから。
ていうかこいつ僕より5つも下なのか?
2つ3つ違うなら分かるが性格は置いておいて顔は大人びているんだな…
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