0人が本棚に入れています
本棚に追加
感謝
男は家に着いた。
支度をすませて、床に着くと、
男の目の裏で、今日会った出来事が次々に浮かんできた。
目まぐるしく、たくさんのことが起こり、色々な場所に行き、様々な人に出会って、話をして、男はとても満足だった。
今日の出会いすべてに感謝した。
名前も、連絡先も知らない、もう一生 会えないかもしれない人達。
世の中には色々な人がいて、悩みを抱えながらも懸命に生きているってことがわかった。
旅に出て、"悩みを抱えて懸命に生きている人は僕だけじゃない"と、男はそう気づいた。
世界がぐっと広がったような気分で、今まで自分が悩んでいたことは、ちっぽけなことだったのではないか、とさえ思えた。
男は、なんとなく、明日は今までよりすこし上手くいくような感じがした。
「さあ、明日からも、また頑張るとするか。」
男は、すこし微笑みながらそう呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!