感謝

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感謝

男は家に着いた。 支度をすませて、床に着くと、 男の目の裏で、今日会った出来事が次々に浮かんできた。 目まぐるしく、たくさんのことが起こり、色々な場所に行き、様々な人に出会って、話をして、男はとても満足だった。 今日の出会いすべてに感謝した。 名前も、連絡先も知らない、もう一生 会えないかもしれない人達。 世の中には色々な人がいて、悩みを抱えながらも懸命に生きているってことがわかった。 旅に出て、"悩みを抱えて懸命に生きている人は僕だけじゃない"と、男はそう気づいた。 世界がぐっと広がったような気分で、今まで自分が悩んでいたことは、ちっぽけなことだったのではないか、とさえ思えた。 男は、なんとなく、明日は今までよりすこし上手くいくような感じがした。 「さあ、明日からも、また頑張るとするか。」 男は、すこし微笑みながらそう呟いた。
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